牛乳と乳飲料、どちらが体によくてどちらが体に悪いか、という見方をするのは難しく、それぞれ成分もちがうので目的によって摂取する効果が変わってくる、と言えます。
牛乳は、生乳のみを原料としたもので、乳飲料は、牛乳に乳製品を加えたものになります。
また特濃牛乳は、種類別名称が「牛乳」と記されている牛乳と比べると、エネルギーや脂質が多い飲み物です。
そのため、飲みすぎは体の負担になってしまったり、太る原因にもなります。
牛乳は子供には、1歳を過ぎてから1日の量を守って与えましょう。
3歳以上の幼児では、1日コップ1杯(およそ200ml)が目安です。
今回は
・牛乳と乳飲料それぞれの成分の違い
・牛乳と乳飲料の目的別の選び方
・牛乳を子供に与える時の注意点
・牛乳と加工乳と乳飲料の違い
・特濃牛乳が体に悪い、太るという噂
・牛乳や乳飲料を子供に積極的にとらせるべきなのか
などについてご紹介しますので牛乳の健康効果に興味がある方は、牛乳を選ぶ時の参考にしてみてくださいね。
牛乳と乳飲料はどっちがいい?どうやって選ぶ?
私たちが何気なく選んでいる牛乳や乳飲料には様々な違いがあります。
それぞれの成分と、目的別のおすすめ摂取法について説明していきます。
牛乳と乳飲料それぞれの選び方って?
牛乳は、生乳のみを原料としているもので、製造過程において成分を調整していないものになります。
牛乳にはタンパク質やカルシウムがたくさんふくまれていて、これらは、私たちの身体に吸収されやすい乳成分です。
子供の成長過程において、栄養をとりいれたいときや高齢者など積極的にカルシウムをとりたい場合は、牛乳がおすすめです。
乳飲料は、牛乳に乳製品以外を加えて、乳固形分が3パーセント以上のもので、栄養強化タイプ、嗜好飲料タイプ、乳糖分解タイプに分けられます。
牛乳に入っている成分以外のものを取り入れたいとき、つまり、栄養強化したいときは、栄養強化タイプの乳飲料を選ぶといいでしょう。
コーヒー牛乳やイチゴミルクなどは乳飲料の嗜好飲料タイプに含まれます。
お腹が緩くなったり、痛くなったり、違和感を覚えたりする人は、乳飲料の乳糖分解タイプを飲むのがおすすめです。
脂肪分が多いほど、濃厚な味わいになりますので、デザートなどに使用する際は、牛乳のほうがコクがでていいでしょう。
逆に脂肪分を少なくして、カロリーを抑えたい方は、脂肪分の少ない低脂肪乳や無脂肪牛乳、低脂肪タイプの加工乳を選ぶことをおすすめします。
子供に与えるときの注意点
子供に牛乳をふくめ、乳飲料を飲ませるのは1歳を過ぎてからがいいでしょう。
積極的に始める必要はありません。
消化機能の未熟な赤ちゃんは、十分に消化吸収できず、下痢を引き起こしてしまいますし、またアレルギーの問題もありますね。
粉ミルクには鉄が含まれていますが、牛乳にはふくまれていませんので鉄欠乏性貧血になる可能性もあります。
まずは様子を見ながら少しずつ牛乳などを始めていくといいでしょう。
牛乳と加工乳と乳飲料の違いって何なの?
スーパーに行ったときに、牛乳、乳飲料、加工乳という表示をみたことがあると思います。
牛乳は、搾ったままの生乳を加熱殺菌し、他のものを全く混ぜていません。
水など他のものを混ぜるのは、禁止されています。
牛乳は、牛乳、成分調整牛乳、低脂肪牛乳、無脂肪牛乳、特別牛乳の5つに分けられ、少しずつそれぞれ入っている成分が違うのです。
加工乳は、脂肪分が少ない低脂肪乳や脂肪分が高い特濃があり、乳脂肪の調整ができます。
牛乳の成分に、クリームや脱脂粉乳、バターなどのほかの乳成分を加えたものになります。
乳飲料は、牛乳がメインですが、乳成分以外の成分が含まれています。
一般的に、カフェオレやコーヒー牛乳、イチゴミルクなどが嗜好飲料タイプに含まれます。
そのほかにも、栄養強化タイプ、乳糖分解タイプなどもありますので、乳飲料は甘いというわけではありません。
牛乳も加工乳も乳飲料も、ふくまれている脂肪分や乳製品、無脂乳固形分で味が全然異なってきます。
脂肪分が高ければ太る原因にもなりますし、甘い乳飲料は虫歯の原因にもなります。
赤ちゃんの場合は鉄欠乏性貧血も心配ですね。
それぞれ目的に合わせて飲むことをおすすめします。
スポンサーリンク
特濃牛乳が体に悪い・太るって噂は本当?
特濃牛乳が体に悪い・太ると言われる理由は、種類別名称が「牛乳」と記されている牛乳と比べると、エネルギーや脂質が高いことが原因です。
そのため飲み過ぎた生活を続けると、カロリーオーバーや脂質、糖質のとりすぎを招き、体に悪い影響を与えてしまいます。
ただし、適切な量を飲んでいれば、特濃牛乳が原因で太るわけではありません。
例えば、雪印メグミルクの「特濃」は200mlあたり149kcalですが、同じブランドの「北海道牛乳」は200mlあたり135kcalです。
脂質や糖質も「特濃」のほうが多く含まれていることが、栄養成分表示からわかります。
近年の研究では、毎日の習慣としてコップ1杯の牛乳を摂取すると、腸内環境が良くなったり、体脂肪を減少させる効果があることがわかっています。
また、牛乳の脂肪は体に蓄積されにくい中鎖脂肪酸を多く含んでいるため、健康に悪影響を及ぼすことはないと言えるでしょう。
牛乳は、「牛乳」「成分調整牛乳」「低脂肪牛乳」「無脂肪牛乳」「加工乳」「乳飲料」の6種類に分けられ、牛乳パッケージの種類別名称に表記されています。
牛から搾り取った乳のみを使った「牛乳」、生乳から水分やミネラルなど一部を除去した「成分調整牛乳」、乳脂肪分0.5%以上1.5%以下の「低脂肪牛乳」、乳脂肪分0.5%以下の「無脂肪牛乳」があります。
特濃牛乳は、「加工乳」か「乳飲料」に分けられ、生乳にバターなどの乳製品を加えたものは「加工乳」、乳製品以外のカルシウムや鉄分などを加えたものが「乳飲料」です。
特濃牛乳の多くには、カルシウムの吸収を促進させるビタミンDが含まれています。
ビタミンDが不足すると、カルシウムを体に取り入れることができず、骨の病気を引き起こしやすくなってしまいます。
むかしは、食材の摂取や日光に当たることでビタミンDが作られてきましたが、食生活の変化や紫外線にあたることを避けるようになったため、ビタミンDが不足していると言われています。
そのため、ビタミンDを加えた特濃牛乳が作られるようになりました。
エネルギーが高いから、と嫌厭されがちな特濃牛乳ですが、体のことを考えて作られています。
牛乳や乳飲料は子供に積極的に摂らせるべき?
牛乳や乳飲料は、ご飯とのバランスを考えながら、1日に必要な量を与えましょう。
例えば、3歳以上の幼児には、1日コップ1杯(およそ200ml)が目安です。
小学生には、給食の牛乳1本(200ml)とコップ1/2杯(100ml)、合わせて300mlが目安とされています。
牛乳でカルシウムが摂れるのは有名ですが、その反対に牛乳では取れない栄養素もあります。
それは、ビタミンCや鉄、そして食物繊維です。
牛乳だけで必要な栄養素が全て摂れるわけではないので、バランス良い食事とともに牛乳を摂取することが大切です。
1日3食の食事がきちんと摂れていて、肥満の傾向がなければ、牛乳を摂りすぎて害になることはありません。
牛乳を飲むタイミングに決まりはありませんが、食事の前に飲み物を飲んでしまうと、お腹がいっぱいになってしまい、食事が進まなくなってしまうことがあります。
また、幼い子供は消化機能が未熟なため、1度に牛乳を飲みすぎるとお腹の不調を感じる場合もあるようです。
このような場合は、小分けにしてのむことをおすすめします。
我が家の子供たちも牛乳が大好きで、毎日飲んでいます。
幼いころは「完食したら牛乳をもらえます!」というルールにしていたので、お米を1粒も残さないように一生懸命食べていました。
牛乳のおかげで、ご飯を残すことなく食べてくれて、ぐんぐん成長しましたよ。
スポンサーリンク
まとめ
牛乳、乳飲料、加工乳は、作られている成分が違います。
そちらが体にいい、悪い、ということはありませんので、それぞれの目的に合わせて選んで飲むことをお勧めします。
また、赤ちゃんに牛乳ふくめ飲み物として乳飲料を与えるのは、1歳を過ぎてから。
貧血やアレルギー、消化器系の問題もあるので飲ませすぎには注意が必要ですよ。
また特濃牛乳は、「牛乳」に比べるとエネルギーが高く、脂質や糖質も多く入っていますが、過剰に摂取しなければ特濃牛乳を飲んだからと言って、すぐに太ってしまうなどの悪影響はありません。
近年の研究では、毎日の習慣として牛乳を飲み続けると、体に良い効果が出ることもわかってきました。
腸内環境が良くなったり、体脂肪を減少させる効果があると聞くと、積極的に牛乳を飲みたくなりますね。
大切なのは、体にちょうどいい量を飲むことです。
お子さんと一緒に、楽しく牛乳を飲む生活をしていけたら良いですね。