柿の実の黒い点はポリフェノールの一種で「タンニン」という渋み成分であり、柿が熟して甘みが出てくると表れるものなので、黒い点は食べ頃のサインです。
渋み成分のタンニンは黒い点になって表れると、人間は渋みを感じず甘さだけを感じるため食べ頃だといわれています。
黒い斑点のタンニンができる原因は、水溶性だったタンニンが非水溶性に変化して固形化して私たちの目に見えるようになったからです。
この記事では、
・柿に黒い点ができたら食べられるのかどうか
・柿がどんな状態のときが危険なのか
・柿に黒い斑点ができる原因について
を解説していきますので、柿の食べごろや黒い斑点について知りたい人は是非参考にしてみて下さいね。
柿に黒い点ができてるのって食べれる?食べると危険?
柿に黒い斑点があるのは危険なの?
柿の実の黒い点はポリフェノールの一種「タンニン」という成分であり、柿が熟して甘みが出てくると表れるものなので、黒い点は食べ頃のサインです。
つまり、黒い点が出ても「危険ではない」ということですね。
タンニンといえばコーヒーやお茶に含まれている渋み成分ですが、なぜこの成分が出てくると食べ頃といわれるのでしょうか?
「タンニンがたくさんあると渋柿で食べられないのでは?」と思うかもしれませんが、柿は熟してくると渋味は感じず、甘さだけ感じます。
そのためタンニンの成分である黒い斑点がでている柿は甘さたっぷりの食べごろの柿になるということです。
危険な柿の見分け方って?
タンニンが元となって黒い点が出ている柿は問題ありませんが、腐っている可能性がある危険な黒さもありますので、ご紹介しますね。
ヘタの下が黒くなっているものは「ヘタスキ」と呼ばれ、その部分は食べないで切り取ったほうが良いでしょう。
柿自体は腐っているわけではないので問題なく食べられますが、早めに食べたほうが良いですね。
一部分だけが黒くなっている場合は腐っている可能性が高いため、食べるのは止めましょう。
タンニンは一部分ではなく全体に黒い斑点が広がっているので、タンニンなのか腐っているのかはそこをみて判断してくださいね。
特に中心部分が黒いときは虫に食われている場合があるため注意しましょう。
表面の皮が黒く変色しているときは、その部分を厚めに切って食べてくださいね。
日当たりや風通しの悪い場所に保管していたり、何かにぶつかったことが原因で黒く変色してしまいますが、その部分を食べなければ体に影響はありません。
黒い斑点がタンニンなのか、腐っているのか判別できないときは汁が出ているか、酸っぱい臭いがしたり、カビが生えていないか確認しましょう。
柿に黒い斑点ができる原因ってなんなの?
黒い斑点のタンニンができる原因は、水溶性だったタンニンが非水溶性に変化して固形化して私たちの目に見えるようになったからです。
タンニンはいったいなぜ黒い斑点として表れるのでしょうか?
柿が熟れるまでの間、種子を守る役割があるタンニンは、動物や鳥に食べられないよう渋みを感じさせていますが、実が熟れてきたら種子を遠くまで運びたいのでタンニンで種子を守る必要がなくなります。
熟した実を動物や鳥に食べてもらい種子を遠くまで運んでもらうために、タンニンの性質を変化させて渋みを感じなくさせているんです。
柿が自分自身を守るためにタンニンの性質を変化させていたとはとても興味深いですよね。
人間の舌は水にとける性質のものしか感じることができないので、固形化して水に溶けなくなったタンニンの渋みは感じないため、熟した柿の甘みしか感じないんですね。
個人的には固めのシャキシャキした柿が好きなんですが、たまに渋みを感じるのはこういう理由だったとは驚きました。
このことを知らないと、柿を切り黒い斑点があると腐っているのかとびっくりしてしまいますが、タンニンの性質が変化して表れたものだと知っていれば、熟れている証拠だとわかるため食べるのが楽しみになりますね。
まとめ
柿にある黒い斑点の正体がわかってすっきりしましたか?
私も黒い斑点は何なのかわかりませんでしたが、渋み成分のタンニンだったとは驚きですよね。
しかもお茶やコーヒーに含まれるタンニンなのに渋みを感じないのを疑問に思いましたが、固形化すると水に溶けなくなるため、渋みを感じなくなるとはなんとも不思議ですね。
タンニンの性質が変化するのも、柿がいろんな場所へ実らせたいという生物的な理由だった知って納得できました。
これからは柿を切って黒い斑点があったとしても、「甘くておいしい柿だ!ラッキー!」と思えますね。