凧揚げはいつ遊んでもかまいません。
お正月に揚げられるようになった理由は諸説ありますが、お正月以外に揚げてはいけないと決まっているものではないので、好きな時に遊ぶことができます。
この記事では
・凧揚げはお正月以外してはいけないのか
・凧揚げはいつまでしていいのか
・お正月に凧揚げをするようになったのは何故か
などをお伝えしますので、お正月以外にもお子様と凧揚げを楽しみたいお父さんお母さんは、ぜひ参考にして下さい。
凧揚げは正月以外できない?いつまでOK?
凧揚げはお正月でなくとも楽しんで下さい。
縁起物として扱われることが多いので、何となくお正月にやるものというイメージがありますが、昔は年中遊んでいました。
お正月を過ぎると凧揚げをする人は減ってしまいますが、いつまで揚げても大丈夫です。
後述しますが、凧揚げをお正月に揚げるようになったのは江戸時代の幕府の都合なので、令和を生きる私たちはいつ楽しんでもよいでしょう。
昔は新年というより、季節の変わり目をお祝いするものとして凧を揚げていたようです。
長崎では毎年4月に「長崎ハタ揚げ大会」という大会が開かれていますし、静岡県の浜松では、毎年ゴールデンウィークのころ、安土桃山時代から続く「浜松まつり」(別名:凧まつり)で凧が揚げられています。
近年では、凧揚げはスポーツカイトと呼ばれる競技として楽しむ人もいます。
競技用の凧はお正月を感じさせる要素がありませんし、もしお正月を過ぎ、一枚だけで揚げるのが気になるのであれば、競技用の凧を揚げてみるのもいいかもしれません。
近くの池でたまに揚げているのを見かけますが、子供向けに作られた凧とは全く違い恰好いいので、散歩の途中で足を止めて見上げる人も多いです。
凧揚げは、風さえあればいつでも楽しめます。
真夏はさすがに暑くてできないでしょうが、季節を通してできるものなので、キャンプに持って行ったり、公園に持って行くなどして、場所を変えて揚げてみるのもいいかもしれませんね。
凧揚げが正月にされるようになったのはなぜ?
日本の凧揚げのはじまりは平安時代と言われています。
中国で軍事用に発明されたものが日本に伝わり、貴族の遊びとして広まりました。
凧揚げは江戸時代に庶民の間にも広まりました。
空前の凧揚げブームが起き、一年中凧揚げが行われていました。
お正月に限定して揚げられるようになったのは江戸時代後期になってからです。
当時はどれだけ素晴らしい凧を揚げるかなど、凧にステイタスを求める人が表れるほどの人気ぶりで、大きくて目立つものが増えていったそうです。
凧揚げブームで空の凧密度が高くなり、空中で他の凧と絡まるなどして落ちてきた大きな凧が、武士の参勤交代の行列を妨げる、屋根を破壊するなど各地で事故が起こったそうです。
そこで幕府は凧揚げ禁止令を出したわけですが、正月は参勤交代が行われないため、正月に限り凧揚げが許可されたところから、現在へと繋がっていきます。
当時の凧揚げブームは凄まじいものだったようです。
また現在の凧揚げは、昔はイカのぼりと呼ばれていました。
幕府から「イカのぼり禁止令」が出るとされた時、「イカのぼり」じゃなく、「タコ揚げ」だからOK!という落語のような理屈をつけてまで揚げようとしたことから、凧揚げと呼ばれるようになりました。
幕府も、ここまで庶民に愛されている凧揚げを完全に禁止してしまうと不満が溜まるため、お正月ならと条件をつけて不満のガス抜きをはかったのでしょう。
まとめ
凧がお正月にしか見られなくなったのは、人々が凧を愛しすぎた事が原因でした。
昔の人がこれだけ愛した遊びですから、私たちも楽しいと思うのは当然ですね。
幸いなことに現在は凧揚げ禁止令は出ていないので、気が向けばいつでも揚げられます。
ゲームやYouTubeも楽しいですが、たまには雄大な空に泳ぐ凧を眺めるのというのもいいものです。
凧を揚げる場所は電線などのない広い場所に限られますので、普段忙しくてゆっくり空を見ることがない人にとっては、とても気持ちのいい時間になると思います。
江戸時代のような凧揚げブームはもう来ないかもしれませんが、平安時代から途絶える事なく続いてきた凧揚げを、ぜひあなたもお子様と楽しんで下さい。