梅シロップの梅がしわしわにならないのは、失敗ではありません。
梅の熟し方や下処理でしわの具合は異なります。
しわにならない梅は、元々熟していた梅や下処理した梅であることが多いです。
しわの具合で味の違いはほとんどありません。
この記事では、
・梅がしわしわにならない原因
・しわしわにならない梅シロップの作り方
・しわしわ、丸いままで梅シロップに味の違いはあるのか
・梅シロップから梅の実を取り出すタイミング
・梅シロップの発酵を止める対処法
・梅シロップの腐っているときの見分け方
についてご紹介しますね。
それでは詳しくみていきましょう。
- 梅シロップの梅がしわしわにならないのは失敗?原因はなに?
- 梅シロップの梅がしわしわになる・丸いままの違いって何なの?
- 梅シロップの梅を取り出す時期は?
- 梅シロップの発酵を戻す方法はある?対処法って?
- 梅シロップが発酵するとどうなる?カビや腐敗との違いは?
- 梅シロップって腐るとどうなる?腹痛が起きることも…⁉
- まとめ
梅シロップの梅がしわしわにならないのは失敗?原因はなに?
梅シロップの梅がしわしわにならなくても、失敗ではありません。
しわになりやすい、なりにくいは梅の種類ではなく、梅の熟し方で異なります。
熟していない青梅はしわになりやすい。
表面が黄色になってきていて、熟している梅はしわになりにくいです。
全部青梅だったのに、一部の梅だけしわしわにならなかった。
そんな時は、その梅が見た目は青くても中が熟し始めていた可能性もあります。
どちらにせよ、しわになっていてもなっていなくても飲めますので安心してください。
では、なぜ熟している梅はしわになりにくいのでしょうか?
この理由を知るには、梅がしわしわになるメカニズムを知る必要があります。
しわしわになるのは、梅と砂糖の間で浸透圧がおきているためです。
青梅は生の梅なので、半透膜というものが機能しています。
半透膜とは、糖分を通さず水だけを通す膜です。
半透膜のある青梅に濃い砂糖が接触すると、自分の水分を濃い砂糖に出して、外と自分の糖分を同じ濃度にしようとします。
つまり、梅自身の水分を急激に外に出すためしわしわになってしまうのです。
これに対し、熟している梅は半透膜が壊れてきているため、ゆっくり濃度調節を行うか、調節を行わない場合もあるのです。
そのため、熟した梅はしわしわになりにくいのです。
梅シロップの梅がしわしわになる・丸いままの違いって何なの?
梅の実がしわしわ・丸いままの違いって?
梅シロップに入れた梅の形状に、しわしわ・丸いままといった違いが発生するのは、梅の濃度調整のスピードによるものです。
熟している梅は半透膜が壊れてきていてゆっくり濃度調節を行うため、しわしわになりにくいのです。
また梅シロップの梅は、熟している・いない以外では下処理を行うかどうかでも形に違いが出てきます。
つまり、熟していない梅でも、下処理をする=半透膜を壊してやれば実が丸いまま梅シロップを作れるということです。
青梅でもしわしわにしたくないと思っている人は、ぜひ下処理をしてみてください。
- 冷凍する
- 竹串などで穴をあけておく
どちらも青梅の半透膜を破壊して、急激な浸透圧を防いでいます。
下処理の方法としては、まず、梅をしっかり洗って水分を拭きとり、竹串でヘタをくり抜きます。
冷凍する場合はジップロックなどに梅を詰めます。
使う時は解凍せずに、そのまま使うようにしましょう。
穴をあける場合は、ヘタをとったら行いましょう。
ヘタをとった竹串とは別の新しい竹串を用意し(雑菌の侵入を防ぐため)、プスプスさして、半透膜を破壊しましょう。
梅の実がしわしわ・丸いままで味の違いは?
下処理を行ったもの、行わなかったもの。
シワシワのもの、丸いままのもの。
梅シロップの味に違いはあるのでしょうか?
ネット上には、
・梅が丸いままのものには苦みがあった
・梅が丸いままのほうがまろやかで美味しい
・梅がしわしわのほうがエキスがたくさん出ていて美味しい
・どちらも同じ味だった
など様々な意見がありました。
作り方や時期、作った人の材料の配分などによっても味が変わるようで、どの意見が圧倒的に多いなどはなく、みんなバラバラの見解…といった印象です。
つまりどちらの場合も、味はほとんど同じと考えていいでしょう。
梅シロップの梅を取り出す時期は?
梅シロップを作った後に、梅シロップの瓶から梅を取り出す時期についてもみていきましょう。
しわになった梅はエキスが全部出た状態のため、早めに取り出しましょう。
しわになっていない梅も2週間~1か月でエキスは出終わるため、入れてから1か月を目安に取り出してください。
なぜ入れっぱなしではいけないのか。
それは、梅の発酵が進んでしまうためです。
梅酒ならアルコール成分が入っているので、雑菌の繁殖なども抑えられますが、シロップは無防備です。
発酵が始まると、雑菌やカビの繁殖が始まり次第に飲めなくなってしまうからです。
発酵のサインは、
・泡が出てきている
・開けてみると「ポン」と音がする
・濁っている
などがありますが、カビなどが生えていなければ、発酵していても飲むことが可能です。
それでは梅シロップが発酵してしまった場合に発酵を戻す方法を見ていきましょう。
梅シロップの発酵を戻す方法はある?対処法って?
泡が立って発酵が進んでいると気付いた時点ですぐに対処すれば発酵を止めて酸味やアルコール分のない梅シロップに戻すことができます。
これから対処法をお伝えしますね。
梅シロップの発酵を戻す(止める)方法
①梅シロップの梅の実を取り出してください。
②シロップをじっくりと弱火で15分ほど加熱して出てきたアクを取ってください。
沸騰させてしまうと梅の香りが弱くなりますが、きちんと火を通さないと発酵を止めることができません。
ぐつぐつ泡立てない程度にじっくりと火を通すことを意識すると良いでしょう。
③保存する瓶を必ず煮沸消毒やアルコール消毒をして、冷ました梅シロップを入れます。
④梅シロップを漬けて10日以内であれば梅のエキスが抽出されていないので実は再び瓶に入れてください。漬けて10日以上なら実を取り出したままにしてください。
⑤冷蔵庫で冷蔵保存してください。
発酵させないためのコツ
発酵しても適切な対処をすればおいしく飲むことはできますが、発酵しないようにするのが一番ですよね。
梅シロップを作ったら、
・1日2回は梅シロップの瓶を揺らして砂糖と梅がまんべんなく混ざるようにすること
・冷蔵庫で保存すること
・砂糖を入れると溶けやすくするため4日程度に分けて入れる
この3つを試してみてください。
これらのことに気を付ければ発酵しにくくなるし、発酵したとしても、スピードがゆっくりになるのでおいしい梅シロップが飲めますよ。
梅シロップが発酵するとどうなる?カビや腐敗との違いは?
発酵が進むと白い泡が立ち、そのまま放置するとアルコールの臭いがしてきて、酸味や苦味が出てきてしまいます。
そうなると味や風味も変わってしまい、子供やアルコールに弱い方は飲めなくなってしまうので注意が必要です。
ただし、発酵していることと腐っていることとは全く別物ですので、泡が立っていて発酵状態になっていたとしても味・風味が変わるだけで危険なわけではないため問題なく飲むことができます。
泡が少しでも立ってきたら発酵が進んでいると思ったほうが良いですが、この段階で「腐ってしまってもう飲めないのでは?」と捨てしまう必要はありません。
腐っている場合はツンとした臭いがしたり、味がおかしくなっていたり、青カビや黒カビが生えていることが多いです。
ただ発酵が少し進んでいるだけなら、甘酸っぱくてみずみずしい匂いがするのでそれを判断基準にしてみてください。
また、発酵が進む原因は
・高温多湿の場所に保存していた
・砂糖がしっかりと溶けていなかった
など、砂糖と梅が均等に混ざっていないことによるものです。
発酵が進む条件と腐敗してしまう条件は同じなので、梅シロップが完成するまではこまめに様子をみると良いでしょう。
手間がかかりますが、気長に育てる気持ちで漬けると良いかもしれません。
完成を楽しみにしていた梅シロップが飲めずに捨ててしまったとならないように気を付けましょう。
梅シロップって腐るとどうなる?腹痛が起きることも…⁉
梅シロップは保存状態を良くしておけば1年間は飲むことが可能です。
しかし、保存状態が悪いと腐ってしまうことがあるので注意が必要ですよ。
梅シロップは腐ると、変な味がしたり、苦かったり、梅の香りではないツンとした臭いがするんです。
また、青カビや黒カビが生えていたら完全に腐っているため、腹痛や下痢を引き起こす可能性があるので絶対飲まないでください。
梅シロップは疲労回復や美肌効果があるのに、お腹を壊してしまったら元も子もないですよね。
高温多湿の場所で保存していたり、こまめに瓶を振って混ぜていなかったりすると、腐るのが早くなってしまうので気をつけてくださいね。
梅シロップを作る時期はどうしても部屋の中が高温多湿になりがちなので、冷蔵庫で保存することをオススメします。
また、梅シロップを作る際に、瓶の消毒が不十分だったり、梅の表面に水分が付いたままだと同じく腐る原因になってしまいます。
保存瓶は煮沸消毒をするのが理想ですが、梅シロップを作る瓶は大きく煮沸消毒をすることが難しいことがあると思うので、その場合はアルコール除菌スプレーで消毒をしても構いません。
せっかく漬けた梅シロップですから、腐って飲めないまま捨てることを考えたら悲しくなるので、十分に保存状態を気にかけましょう。
今回は梅シロップの梅がしわしわにならないのは失敗かどうか、また梅シロップが発酵する原因や対処法、腐るとどうなるのかについてお伝えしましたが、そもそも梅によってシロップ作りに失敗しやすかったりするのかどうかも気になるところです。
たとえば傷のある梅を使うと発酵しやすかったり腐りやすかったりするのか?という疑問について別の記事でまとめてみました!
こちらも是非見てみてくださいね↓
まとめ
私も子供も梅味が大好きなので毎年梅シロップを作るのですが、たまにしわしわにならず実が丸いままの梅があることが気になっていました。
シロップに梅エキスが出るため実がしわしわになるのが普通。
ということは実が丸いままの梅って失敗なの?と疑問に思い調べたところ梅シロップの梅がしわしわにならなくても、失敗ではありませんでした。
梅の熟し方や下処理によって、しわになりにくい梅、なりやすい梅があるだけで、飲めない、美味しくないなんてことはありません。
また、「泡や濁りが出たから腐ってしまった」と思われがちですが、これは腐っているのではなく、発酵している証拠なので問題なく飲めるんです。
甘酸っぱくてみずみずしい匂いがする場合は、加熱し発酵を止めれば問題なく飲めるので、泡が立っても焦らないでくださいね。
ただ発酵が進みすぎると、酸味や苦味が強くなりアルコール臭がするようになるので注意が必要ですよ。
梅シロップは保存状態が悪いと青カビや黒カビが発生し腐ってしまい、それを飲んでしまうと腹痛や下痢を起こしてしまうので十分に注意をしてくださいね。