2020年秋頃から需要に生産が追いつかなくなり、半導体不足になりました。
原因として、やはりコロナウイルスがさまざまな形で影響しているというのが大きいようです。
昨年の始め頃から中国でコロナが流行し、世界の自動車メーカーが減産となって、半導体も需要が減ると予想されました。
しかし、予想に反して半導体市場は急回復し、各業界で半導体の不足がおこってしまったようです。
半導体に関わる多くの技術者は、「供給不足の解消はめどがたっていない」と考えています。
半導体の不足によって、自動車メーカーの生産損失額はおよそ23億円になるそうです。
また、商品を売り出すことが出来ないということは経済の回復を遅らせてしまい、多くの人の生活に悪い影響が続くことになります。
この記事では、
・半導体が不足している原因
・半導体が不足し始めた時期
・工場火災の影響
・半導体不足が解消する時期
・半導体不足が影響する商品や生活への影響
についてお伝えしますので、半導体不足の原因について知りたい方は是非参考にしてくださいね。
- 半導体が不足している原因って⁉材料不足?人員不足?コロナのせい?
- 半導体の不足っていつから起こってるの?工場火災の影響って?
- 半導体不足が解消する時期っていつ?見込みはあるの?
- 半導体不足が影響する商品って?生活への影響も
- まとめ
半導体が不足している原因って⁉材料不足?人員不足?コロナのせい?
半導体が不足している原因は、コロナウイルスが世界的に流行したことが大きな原因だといえるでしょう。
昨年の初めからコロナウイルスが流行したことで、世界の自動車メーカーが自動車の需要が減ると予想して減産を決め、半導体の発注をキャンセルしました。
しかし、中国がコロナ禍から回復すると、電気自動車の普及支援策や自動車需要の回復、5Gが始まるなど、半導体の需要が予想外に増えてしまったようです。
そうすると、急激に回復した需要に追いつかず、半導体が不足する事態になってしまいました。
半導体を製造するには、基盤となる(基板)材料のシリコンウェーハが必要です。
ところが、そのシリコンウェーハが不足しています。
需要の急増に、既存工場での増産だけでは対応しきれず、2023年には供給不足に陥る可能性があるそうです。
ウェーハ工場を新設するには500億円以上の初期投資が必要となるため、供給過多とならないよう、慎重な姿勢を取っているのではないかと言われています。
また、現在の半導体製造工場では従業員が確保できていません。
なぜなら、コロナ禍で半導体を減産すると決まったときに、人員が削減されて外国人労働者は母国に帰ってしまったからです。
コロナ禍以前のように、海外から自由に入国できるようにならないと、人員不足のため工場を動かすことが出来ず、半導体の生産をあげることが難しいようです。
半導体の不足っていつから起こってるの?工場火災の影響って?
2020年秋頃から、半導体不足が騒がれるようになりました。
さらに2020年10月と2021年3月に半導体製造工場で火災が起きたことにより、半導体を使用する自動車の生産にさらに大きな影響を与えたようです。
コロナウイルスが流行したことで、様々な会社でテレワークが導入され、最初はパソコンなどに用いる電源管理用の半導体が不足しました。
さらに、減産されていた自動車市場が予想より早く回復し、電気自動車普及支援なども行われたことから、半導体が急激に必要となったそうです。
しかし、半導体ができあがるには、材料を投入してから3ヶ月ほどの期間がかかると言われています。
需要の回復に合わせて製造したものの、追いつかなくなってしまったようです。
さらに、2020年10月に旭化成エレクトロニクス半導体製造工場で火災が発生しました。
建物の損傷が激しかったので、事故原因は不明となっています。
その後、損傷が激しいことから工場の復旧は断念され、工場で作っていた半導体はルネサスで代替生産を行っているそうです。
しかし、2021年3月には茨城県ひたちなか市のルネサス那珂工場で火災が起きてしまいました。
火災前の生産水準に戻るまでおよそ3ヶ月間かかり、自動車メーカーの生産に影響したようです。
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半導体不足が解消する時期っていつ?見込みはあるの?
自動車産業での半導体不足は、2023年ころまで続くのではないかと言われています。
半導体を作るには時間がかかるため、増産したからといってすぐに市場に出回りません。
現在、自動車業界では、数か月から半年の納品遅れがでているようです。
2021年2月から3月に行われた供給不足が解消する時期についての調査では、「めどはたっていない」が33.3%、「2021年10月~12月」が25.2%、2021年7月~9月」が17.1%、2022年以降が13.0%でした。
ところが、2021年7月~8月のに行われた調査では、「めどはたっていない」が42.6%、「2022年4月~6月」が20.9%、「2022年以降」が13.0%、「2022年3月」が12.9%でした。
どちらの調査も「めどは立っていない」という回答が最多でした。
また、2回目の調査では「2021年内に回復する」という回答が大きく減少したことから、半導体不足はすぐに解決する問題ではないと思われます。
半導体不足が影響する商品って?生活への影響も
半導体は様々なところに使用されています。
最も半導体不足が影響されているといわれるのは自動車です。
その他に、エアコンや炊飯器、スマートフォン、テレビや洗濯機などのデジタル家電、パソコンやデジタルカメラなどにも半導体は使われています。
PlayStation5やiPhoneも半導体不足により減産が発表されました。
私たちの生活に、半導体は欠かせないものとなっています。
また、家庭内だけではなく、社会の中でも半導体は必要不可欠なものです。
銀行のATMや電車の運行、医療ネットワークによる老人介護や物流システムにも使用されています。
半導体不足が最も深刻だといわれている自動車業界では、思うように車両の製造が出来ていません。
自動車の需要が減ると予想して減産を決め、半導体の発注をキャンセルしたことにより、需要が高まったスマートフォンや関連機器の半導体が作られるようになり、車用の供給が絞られてしまったためです。
急激に回復した需要に追いつかず、半導体が不足する事態に陥ってしまいました。
また、半導体不足により、工場の再起動をしたとしても材料が届かず、製品を作れない場合もあります。
商品を売り出すことが出来ないということは、経済の回復が遅れ、会社の倒産にもつながりかねません。
さらに、半導体不足は医療機器業界にも影を落としはじめ、CPU(中央演算処理装置)や内視鏡にも影響が出かねない状況になっているようです。
また、半導体不足に漬け込むように「偽物」や「粗悪品」の半導体を売りさばき、国民の健康と安全を脅かそうとする悪徳業者もいます。
物品を購入するときは、安心して使うことができるメーカーの商品なのか慎重に判断する必要がでてきそうですね。
まとめ
コロナウイルスが流行したことにより、多くの会社にテレワークが導入され、パソコンに使われる電源管理用の半導体不足が発生しました。
世界の自動車メーカーが自動車の需要が減ると予想して、車用の半導体の発注をキャンセルしましたが、予想を越える急激な回復により、車用の半導体不足がおこったそうです。
また、2020年10月には旭化成エレクトロニクス半導体製造工場で火災が発生し、さらに2021年3月には茨城県ひたちなか市のルネサス那珂工場でも火災がおこりました。
この火災も、半導体の製造が遅れるひとつの原因となったようです。
半導体は材料を投入してから、できあがるまで3ヶ月ほどの期間がかかると言われています。
需要が供給に追いつくには、もう少し時間がかかりそうです。
半導体に関わる多くの技術者は、「供給不足の解消はめどがたっていない」と考えてるようです。
自動車業界では、2023年頃まで不足した状態が続くと言われています。
私たちの生活の中には、半導体が必要な機器が多くあり、半導体が不足することによって、生活の質がさがってしまいます。
経済の回復が遅れてしまうと、自転車操業となる会社や倒産する会社もでてくると考えれられるでしょう。
また、医療機器の半導体が不足すると健康を脅かすことになります。
半導体の製造に関わっていない私たちにできることは、そう多くないかもしれません。
わずかかもしれませんが、しっかりと企画販売されている正規品を購入し、応援したいと思います。